孤独hack

”おひとりさま”人生にをちょっとラクに

孤独な嘘つき

孤独な人は嘘をつく傾向がある、嘘をつく人は孤独な傾向がある。病的なまでに、明らかに嘘をつく人もいれば、全然気づかない程度の嘘だけを真実とうまく織り交ぜて嘘だとわからないようにするウマい人もいる。今回は後者について、つまり何かしら意図や目的があって嘘をつくタイプについて。

 

なぜ嘘をつくか

気づかない程度の嘘をつく人は、他人との距離をうまく保てない人が多い気がする。「飲みに行くか?」と誘っても、「バイトがあるから」といって断る、そして飲屋街で別の人と飲んでいるそいつを発見する、といった具合の事が起こる。なんでそこで嘘をついたんだろう?と思うような事が多い。正直に「他の人と飲みに行く約束があるから」と言えばいいものの、なぜかそれを言わない。

 

相手と深く関わる事を恐れるケース

最近の若者は飲みに誘っても来ない、とどこかのニュースで嘆いているおっさんがいた気がするが、どうも昔に比べて最近の若者は飲みに誘っても来ない人が多いらしい。この原因には、1人でも十分楽しめるエンターテイメント(ゲーム、動画サイト、SNSなど)が発展した事があげられると思う。つまり、独りでも楽しめる時代になったから、無理に他人と一緒の時間を過ごすより気楽に独りで過ごしたい、という人が増えた。そのためか、その1人の時間を確保しようと小さい嘘をついてまで独りになろうとする人がいる。それが良いとか悪いとかは置いておいて、無意識の内に「気楽な独りの時間」を欲するあまりに、小さい嘘をついて独りの時間を確保している、という事をメタ認知した方が良いと思う。なぜならそういう人に限って後から「ああ…私は孤独だ…」などと嘆く傾向がある、と私は思うからだ。その孤独な状況は、自ら望んで作ったものであるという事を忘れると、その孤独からは二度と抜け出す事はできないだろう。

 

嫌われる事を過度に恐れているケース

考えられる2つめは、相手に少しでも嫌われたく無いと思って嘘をついてしまうケース。上記のように、「”他の人と飲みに行く”という情報を伝える事でもしかしたら相手に嫌われるかも」、という気持ちで嘘をついてしまう。この根底には信頼感の欠如がある。別に飲み会の誘いを断るくらいで嫌ったりするような人間は少ないと思うし、前々から約束していたわけではないし、正当な理由があるならそれを相手にきちんと伝えれば何も問題無いはずだ。彼は私たちに対して、「これくらいの事を相手に言ったりしても大丈夫だ、それで崩れるほど信頼の無い仲ではない」という信頼感が無いのだと思う。

 

信頼感が欠如する理由

信頼感が育つ時期は、乳児期だと言われている。信頼を感じる初めての体験は、赤ん坊の頃に「泣いたら親(主に母)が助けに来てくれる」という体験に基づくらしい。もしかしたら、この信頼感の欠如を抱えている人は成長過程で、親から半ばネグレクトを受けた人なのかもしれない。

 

このタイプの孤独な嘘つきは、残念ながら嘘が治らないかもしれない。乳児期に最も信頼できるはずの親すら信頼できなかった経験を持っているから、ましてや他人を信頼する事が難しいのは自明だ。その「乳児期の親」をも越えるような信頼できる相手を見つける事が、ある意味人生初の信頼体験となり、そこから他人への信頼の波が波及するかもしれない。彼らの人生のキーになるだろう。

 

追記:私はこの2タイプの傾向をどちらも併せ持っているため、自戒の念もこめて書いた。このページにたどりついた人は似たような苦しみを抱えていると思う。生きる事を諦めずに、何が問題なのか掘り下げて明確にし、一つずつ解決していこう。